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双方的要件の具体例

国際結婚における双方的要件の例として重婚を挙げますと、日本人は重婚が認められていません。日本の男性は、相手の女性がイスラム教徒でその本国では一夫多妻の制度があっても、複数の女性との婚姻はできません。この例では双方の国の実質的要件には抵触しませんから、何の問題も生じません。ところが、日本の女性とイスラム教徒の男性との婚姻では、イスラム教では重婚が可能で、そこに問題が発生してきます。

国際結婚と双方的要件

日本の女性がイスラム教徒の男性と結婚しようとするとき、相手がすでに妻帯している場合にはその婚姻は認められません。日本の法律では一夫一妻制の婚姻しか認められておらず一夫多妻は重婚になるからです。一夫多妻が認められているイスラム教徒の男性が、日本の女性と結婚する場合に重婚が認められないのは、重婚が双方的要件であるからです。他にも近親婚の禁止の範囲、再婚禁止期間の日数などが双方的要件としてあります。

再婚禁止期間については、日本では女性の再婚禁止期間は6ヶ月ですが、それよりも長い禁止期間の国の女性との婚姻の場合には、双方の国に問題のない再婚禁止期間の長い方の実質的要件が適用されることになります。

国際結婚の基礎知識

国際結婚は、制度の違う国の者同士が結婚するのですから、互いの国の結婚に関する法律やシステムの違いをよく理解する必要があります。相手の国での結婚事情などについてもあらかじめ知識を得ておくことが大切です。

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