国籍法の変遷
太政官布告による内外人婚姻条規の発令という、日本で最初に国際結婚に関する国籍法が制定されたのは1873年(明治6年)のことでした。日本人男性の妻となる外国人女性は日本国籍を取得し、外国人男性の妻となる日本人女性は日本国籍を失うというものでした。
1899年(明治32年)には明治憲法による国籍法が公布されましたが、婚姻については夫の国籍に従うという父系優先血統主義の内外人婚姻条規発令の原則は変わりませんでした。その後、1916年(大正5年)の改正で、外国人男性の妻となる日本人女性がその外国籍を得られぬ場合のみ日本国籍は失わないということになりました。
戦後、1950年(昭和25年)に公布された新憲法の国籍法では、それまでの家制度が廃止され家族全員が同一国籍でなければならないという制限がなくなりました。しかし相変わらず父系優先血統主義は継続され、日本人女性の配偶者である外国人男性の日本入国や滞在に対して厳しい制限がありました。国籍の確定についても、日本人男性と外国人女性の間に生まれた子は日本国籍を取得できましたが、外国人男性と日本人女性の子には日本国籍の取得は出来ないという、今ではとても考えられないものでした。
1984年(昭和60年)に国籍法と戸籍法の一部が改正され1985年に施行、男女の区別なく外国人と日本人の間に生まれた子は日本国籍を取得できるようになりました。その背景には、男女平等の実現を求める内外世論の高まりや諸外国でも父母両系主義に改める国が多くなってきたこと、1984年に批准された「女子差別撤廃条約」などが大きな影響を与えています。