生活保護制度の外国人への準用
旧生活保護法では国籍条項がなく、生活保護が必要な外国人にも適用されていましたが、1950年に制定された現在の生活保護法では憲法25条を拠りどころとして、その対象を日本国民とする「国籍条項」が設けられ、それ以降、外国人はその対象にはなっていません。1979年の国際人権規約や1982年の難民条約の批准により、政府は年金や医療保険などの社会保障制度においては「国籍条項」を撤廃しましたが、外国人への生活保護については人道的な見地からの準用であって権利ではない、という姿勢は崩していません。
たとえ生活保護を途中で打ち切られても、外国人には不服の申し立てはできないこととなっています。また、生活保護では、生計をともにしている人々を同一の世帯として認定しているところから、外国人と国際結婚した日本人配偶者の場合には、それぞれ別の世帯であるという「世帯分離」の手続きをすれば、日本人配偶者の世帯に対して生活保護を受ける、という形をとることもできるようです。